プラットフォーム企業の「囲い込み」が加速している
今週、GoogleとAnthropicという二大テック企業が、それぞれのプラットフォームに対する管理を強化する動きを見せました。これらは一見バラバラなニュースに見えますが、実は同じ流れの中にあると感じています。
Googleマップの「制限付きビュー」が意味すること
Googleマップでサインインしないとレビュー等が見られない「制限付きビュー」が導入され始めたとの報告が相次いでいます。2月14日頃から、Googleアカウントにサインインしていないユーザーには、他のユーザーがアップロードした写真などが閲覧できなくなったようです。
開発者目線で見ると、これは単なるユーザー体験の変更ではありません。Googleは長年「オープンなWeb」を標榜してきましたが、ここにきてユーザーデータの価値を改めて認識し、自社エコシステムへの誘導を強めていると読み取れます。Maps APIを利用している開発者にとっても、今後さらなる制限が加わる可能性を示唆しているかもしれません。
Anthropicのサードパーティー認証禁止が開発者に与える影響
一方、Anthropicはサードパーティーによるサブスクリプション認証の使用を正式に禁止しました。2月19日のドキュメント更新で、OAuthトークンを使用したサードパーティー製ツールの利用が利用規約違反と明記されたのです。
これは開発者コミュニティに大きな波紋を広げています。多くの開発者が便利なラッパーツールやワークフロー自動化ツールを構築してきましたが、これらが一斉に使えなくなる可能性があります。Claudeの公式API経由での利用を促す動きですが、コスト面や柔軟性の観点から、開発者にとっては痛手です。
興味深いのは、同じAnthropicがPowerPoint向けの「Claude in Powerpoint」をProプランでも利用可能にしたことです。サードパーティーは締め出しながら、公式の統合は拡大する。この戦略は、プラットフォーム側が「管理されたエコシステム」を志向していることの表れでしょう。
AI競争の激化とGoogleの反撃
Googleが「Gemini 3.1 Pro」をリリースし、Gemini 3 Proと比べて推論性能が2倍になったと発表しました。OpenAIやAnthropicのモデルを上回ると主張しています。
GoogleはAI競争で一時期遅れを取っていましたが、ここにきて猛烈な巻き返しを図っています。推論性能の向上は、特に複雑なコード生成や問題解決タスクで重要です。実際、ChatGPTも画面内でのコード編集とプレビュー表示が可能になるなど、各社がコーディング支援機能を強化しています。
開発者としては、特定のAIプロバイダーに依存しすぎないアーキテクチャ設計が重要になってきています。今日使えるAPIが明日使えなくなる可能性を常に考慮すべきです。
セキュリティとプライバシーの課題
AI時代の開発で避けて通れないのがセキュリティです。Googleは2025年に175万件以上の不正アプリをリリース前にブロックしたと報告しています。これは1日あたり約4,800件という驚異的な数字です。
一方で、Raspberry PiをOpenClaw専用デバイスにするというアイデアは、AIエージェントのセキュリティリスクに対する実践的な解決策として興味深いです。AIアシスタントに深いシステムアクセスを許可する必要がある場合、専用デバイスで隔離することでリスクを軽減できます。
まとめ:変化に適応できる開発戦略を
今週のニュースから見えてくるのは、プラットフォーム企業が「オープン」から「管理」へと舵を切り始めているという現実です。開発者として意識すべきは以下の点でしょう。
- 依存の分散:特定のプラットフォームやAPIに過度に依存しない設計
- 公式チャネルの活用:非公式な方法は突然使えなくなるリスクがある
- セキュリティの優先:AIツールの利便性とセキュリティのバランスを常に考慮
- 継続的な学習:AI技術の進化は速く、数ヶ月で状況が一変する
テクノロジーの進化は止まりませんが、その方向性を理解し、柔軟に対応できる体制を整えることが、これからの開発者には求められています。